No Title.

こんにちは、Fuzz の松崎です。
写真は東京都現代美術館脇の木場公園です。

東京は一応緊急事態ではなくなったという今日この頃、みなさん無事お元気にされているでしょうか。わたくしは変わらず元気に過ごしております。

昨日の定休日には見たかった美術展に行くことができて、その前日の日曜は、ちょっといろいろとありまして、急に開店時間を変更することになってしまいました。直前の告知となってしまい、ご迷惑をおかけしてしまったお客さまには心よりお詫び申し上げます。

 

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6月20日、日曜日、父の日。
この日は、中学野球部の息子1の公式戦が9時から予定されていました。中学に入って以降、試合らしい試合を観たことがなく、この時間ならお店に行く前に充分に間に合いますから、そうそうない貴重な機会ということで、かなり前から楽しみにしていたのでした。

ところが当日です。前日から降り続いた雨が早朝まで続き、グランドコンディション不良のため、試合開始が遅れることに。1時間程度の延期なら全然問題ないだろうと思っていたら、意外と何も無いまま時間が過ぎて行き、なおかつ開始時間がなかなか伝えられません。こちらは居られる時間が決まっていますので、徐々に落ち着かなくなってきます。グランド整備になかなか手をつけず、だからでしょう、試合開始時間もなかなか発表されず。。
いっそ中止になって仕切り直しになってくれたらと願いましたが、この日は雨が上がれば一日晴れる予報でしたから、時間延期だけは早くに決まったようでした。

 

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結局、しばらくしてから12時前後に試合開始で、という発表がありました。ちょうどその時間まで居られるという時間にプレイボール。。
とうに球場に来ている僕は、状況的に、なんとなく諦めきれません。高校野球の公式戦の会場にもなるきちんとした球場でしたから、水はけは良く、整備を始めればすぐに仕上がるだろうと。12時前後でというアバウトな言い方なので、開始が早まったりもするのではないか、そうなれば少しだけでも観られるのではないだろうか。

他のお父さんとの会話で盛り上がりながらも、ヤキモキしながら時間が過ぎて行きます。そんな中、いよいよ子ども達がウォーミングアップを開始しました。自分の子と、さらに少年野球から一緒にやってきた仲間たちと、彼らの信じられないくらいたくましくなった姿を見て、、、

今ナラマダ、、今告知スレバ、ダイジョウブ、、
父ノ日ダシ、、

悪魔のささやきが聞こえたかと思うと、気が付けば、スマホを取り出し、ブログとインスタに開店時間の変更を書き込んでいたのでした。

 

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試合開始は結局12時をけっこう過ぎてからでした。思い切って開店を15時とさせてもらい、もうこうなったらしっかり最後まで観るぞと。

息子1は2年生。3年生にとっては最後の大会です。3年生にも知っている子がたくさん居て、やっぱりどうしても応援したかった。頑張れエイスケ、頑張れヤマト、、

息子1は5番サード。相手は格上、でもうまくすれば勝てない相手ではない。3年生と1つでも多く試合ができるよう、頼むぞバカ息子。

 

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開始約2時間後、どうやら大勢は決し、残念な結果が見えてきました。
結局終了まで観ることができず、ギリギリまで居て、もういかんと席を立ちました。息子1は2番手のピッチャーでもあり、もしかしたらマウンドに上がるかもしれないという戦況になってしまったため、なかなか席を立てなかったのです。。

球場から駅まで、普通に歩いて15分くらい。
実はこの話のクライマックスはここなのです。

 

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暑さの中、僕は必死に走ります。今度は少しでも早くお店に着かないと、という使命感が急に沸き、ゴメンナサイ、ゴメンナサイと頭の中で連呼しながら、大汗をかきつつ駆け続けます。

悲劇はそこで起こりました。
少し太めで股上の深い BRENA のパンツと、レザーのサンダルを履いていたもので、ずっと走りながら下半身のもたつきを感じてはいたのです。

大通りを信号のないところを狙って横断し、歩道のちょっとした花壇を飛び越えようとした時でした。
サンダルのつま先が突っかかったところまでは記憶にありますが、どうやって転んだのかは覚えていません。気が付けばかけていたサングラスは投げ出され、真っ青な空が視界に広がっていたのでした。。

周囲には多くはないにしても人は居て、もちろんこっちを見ています。
格好悪いので、サッと立ち上がってみたものの、膝に激痛が走ります。確認すると、パンツの左膝部分が10センチくらい破れています。そしてその左膝小僧の部分と両肘周辺に、小学生でないとつくれないような盛大な擦り傷を3箇所確認。
しかし感想は後だ、おれは走らなくてはならないのだ。

 

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夜。
もういろいろな部分が痛くて、身体全体がしんどくて、閉店時間が来て家路につくと、JRがすっかり止まってしまっていました。降り注ぐ時はこんなにも降り注ぐのだな、と思いました。

日曜日はそういうことがありました。暑くて、熱くて、痛い一日となりました。
今でもまだ傷は痛くて、膝には打撲の痛さも残っています。BRENAのパンツは自分で繕って、まだまだ穿くつもりでいます。

 

翌日、月曜日、定休日。

東京都現代美術館。ずっと気になっていたマーク・マンダース展に行ってきました。
こういうご時勢の影響で会期が延長され、本来は休館日である月曜日が開いていたのです。お店の開店前に行くには少し遠い場所なので、これは助かりました。

 

本当に意味の分からない物体、インスタレーション。ヤバい感じはするけど、特に美しいものでもないし、技巧を感じるというわけでもなく(実は技巧すごいのだけど)、なんだろうなんだろうと思って大部分を見たような感じになった時、今度は大量のドローイングが並んでいます。

これをじっくり見たら、何か感覚が変わってきました。絵画と言えるものではなく、ラフやスケッチのようなものなのですが、なんとなくアイディア出しのような雰囲気で、だからこそ生々しく作家の頭の中がうかがえるような気がしてきます。

この人は、、人体と、性と、ピタゴラスイッチのことばかり考えているのか、、

 

この後でようやく頭の中がビリビリ来ました。意味が分からなすぎて不安だったけど、この人、この頭の中身から好きなように吐き出しているだけじゃない?

ずいぶん前に観た映画 『マルコビッチの穴』 を思い出し、あの感じにすごく似ているなと。この展示の世界は、作家の頭の中に入ってしまったようなものではないかと。
ごめんなさいだけど、作家本人がやっぱり変というか、、つまり芸術家だから、あまり一般的でない頭の中身を持っていて、そこに迷い込んだという感覚です。

そういう感覚で空間を味わうと、まったく別の感慨が得られます。モノの意味も考えないし、フォルムやらマテリアルやらは関係なくなり、世界観そのものがすべてになります。そうすると、そうか、これは経験したことない感覚だ、楽しいかも、と。

 

壮絶に転んで傷をつくった翌日、それを忘れようとするかのごとく、ゆるりとアートに触れてきました。
こういう機会を設ける度に、美しいものだったり、よく理解できないものだったり、とにかく日常にはないようなモノやコトに触れる機会は、たまには必要だと思い至ります。
気取って分かった風なことを言ってもいいし、はてなマークを貼り付けたままでもいいし、とにかく、触れてみる体験は何かしらの楽しさがあります。そして、そもそもそれ以前に、ちょっとお洒落をして、雰囲気のいい美術館を訪れるだけでも、魂の洗濯になるように思います。

今、美術館などは事前予約が必要なことが多いと思いますが、その分、かつてのような混雑はありませんので、じっくり楽しむいい機会になっているように思います。

 

というわけで、すみません、ちょっと書くつもりが、長々となってしまいました。
本日、また SOUTIENCOL が届きましたので、おそらく明日ご紹介できると思います。

 

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