P.H.Designs – Delta Hooded Jacket.

今年も入荷しました、P.H.Designs のダウンジャケットです。
例年より少し早いですが、急にお問い合わせが増えてきましたので、ご紹介します。

 

年に一回、しかもほぼ1型だけの入荷となりますのでブランドプロフィールをおさらいです。

●P. H.Designs
“Mountain Equipment” の創始者として、またフィルパワーの表示を初めて行ったダウン・マイスターとして有名なピーター・ハッチソンによるダウンジャケットをメインとしたイギリスのアウトドアウェアのブランドです。
著名な冒険家の北極点へのノンサポート歩行世界新記録樹立時のウエア、ギアを製作した経歴を持つピーター氏のダウンジャケットは、15人程のスタッフによって生産されている為、日本国内への供給量はごくわずかとなります。

 

昨年につづき、ブランドを代表するモデルとなる Delta Hooded Jacket をご用意しました。
実はまたお願いしてファブリックを変更していただいています。今回は、というより今回もと言った方がいいかもしれません、過去に使われていて気に入っている HM Amber のダークブラウンでお願いしています。やはりこの落ち着いた暗いブラウンが素晴らしいです。

この生地は2年前と3年前に違うモデルで展開していたのですが、覚えているでしょうか? 極細の糸による高密織り、これによってハリがありつつもしなやかで、高い撥水性を実現している、というものです。いかにもアウトドアのごつい生地ではなく、繊細で上品なファブリックとなっております。

 

ということで、フード付きのダウンジャケットです。見たとおりオーソドックスではありますので、さほど深く突っ込んでいくところはないのですが、考え方だけ少々。

Fuzz では元々あまりアウトドア的なダウンジャケットは一生懸命ではなく、僕もほとんど着ないなぁという感じだったので、そういう人たちに響くダウンは何か、これでしょう、という流れで P.H.Designs の取り扱いをはじめました。
ある種の基準として、ウールのスラックスと合わせられるか、ということを考えています。もちろんそうやって合わせてくださいということでなく、あくまで基準として、きれいに着ることができるか否かを判断しているということです。ウールのスラックスに合わせたときに、スマートな印象で着れるダウンなら、本気のダウンを扱ってもいいのではないかという考えです。

そういう考え方なので、P.H.Designs のダウンは、元々ダウンにあまり関心がなかったような人が、何かのきっかけで興味を持ったときに強く響くようです。今まで興味なかったけど、イギリスのもので、何か上品だ、これなら着たい、と。
しっかりしたダウンが欲しいけど、なんとなく欲しいものが無い、何を買っていいか分からない、という人にこそおすすめしたいと思っています。

 

ディテールについて軽く触れておくと、まず襟裏のフリースが気持ちいいです。肌当たりもよく、化繊であるために色褪せにも強いでしょうから、とても理にかなっています。
ポケットの中も同様のフリースになっています。

 

袖は隠しリブで、寒気の流入を防ぎます。本当に寒いところでは、けっこう重要なディテールです。

 

フロントはダブルの止水ジップ。ポケットも止水ジップです。

 

フードはファスナーで着脱が可能です。フードにもダウンが入っています。

 

巷にあふれているものでなく、しっかりした内容で、しっかり格好いい。
P.H.Designs のダウンジャケットは今シーズンもおすすめです。

 

P.H.Designs – Delta Hooded Jacket
col : Black
size : S / M / L
price : 85,000 (+tax)

 

Kei Macdonald – Special Knitwear.

Kei Macdonald のニットをご紹介します。
プルオーバーとカーディガンの2型。今回は企画段階から丁寧に希望を伝えてつくっていただいた Fuzz オリジナルの特別製品となります。

 

まずはプルオーバータイプから。

まず素材はメリノウールをメインとして、ベビーアルパカとキッドモヘヤの混紡糸となり、これは Kei さんが長年信頼して使用しつづけている上質なものです。
これをミドルゲージの中厚地でプルオーバーで、やや低めのモックネックで、そして3色のパネルボーダーで、仕立てていただきました。

 

配色はどちらもまったくの Fuzz のオリジナルとなっております。
僕が色の組み合わせを伝えた時、Kei さんはかなり驚き、かつ心配していたのですが、出来上がりの連絡をいただいた際には、『松崎さん、すごい!』 と言っていただけました。
これは Kei Macdonald のオリジナルでは考えつかない配色です、とはっきり言っておられましたので、カラーだけでもスペシャルなものになっています。
どうでしょう、A.P.C. や MARNI なんかがこんなニットをつくっていそうな気がするのですが・・・

 

とてもソフトで着心地がいいです。そして、高品質の素材とニッティングですから、着た時の品の好さがしっかり感じ取れるはずです。

 

Kei Macdonald – Alpaca Mohair Low Mock Neck Pullover
col : Mustard / Brown
size : S / M / L
price : 29,000 (+tax)

 

こちらはローゲージの畦編みのヘビーニット。
ヘビーニットと言っても、インバーアランなどの本格派のような無脱脂でごつくて重いものとは違い、厚さ、重さはほどほど、見た目以上に着やすく温かいものになっています。

 

素材はカムバックウールという、ブリティッシュウールとメリノウールの交配種となります。ブリティッシュウールの野趣溢れるバルキーな質感と、メリノウールのやわらかさのいいところ取りをしようという野望のもとに生まれた羊の毛です。

クラシックな見た目と着心地の好さを兼ね備え、こちらもブランド定番の糸として、Kei さんが毎年使っているものですので、非常に安心感があります。

 

これまでメンズではつくっていないということだったので、クルーネックのカーディガンにしていただき、カラーはもちろん、生地の厚さやボタンなどもリクエストに応えていただきました。

クルーネックでラグランスリーブ、というのがたいへん気に入っています。

 

インバーアランやカウチンセーターをヘビーニットとするなら、厳密に言えばヘビーニットの一歩手前くらいでしょうか。分厚くてケーブルなどの複雑な編みで、というものではなく、やわらかく伸縮する畦編みはしめつけもなく快適です。

 

Kei Macdonald – Come Back Wool Crew Ncek Cardigan
col : Beige / Mocha
size : S / M / L
price : 34,000 (+tax)

 

Kei Macdonald のニットは、デザイナーである Kei さん本人の意向で、上質な毛糸だけを使い、ニッターさんが家庭機、手横機で一着一着編むハンドフレームニットのみとなります。
ハンドフレームの製品は糸の風合いを損なわず、柔らかな仕上がりになるため、ニットそのものが上品になることが特徴です。

そして、ハンドフレームニットだからこそ、少数での細かいアレンジに対応することができるのも魅力です。僕としては、Kei Macdonald のニットの良さを、Fuzz の客層とマッチさせるべく、ちょっとアレンジしていただく、つまりはデザイナーとお客さんをつなげる、ということを狙っています。
Kei さんというのは、メンズのデザインではトラッド志向が強く(レディースではけっこうかわいらしいものも多いのですが)、ダンディな雰囲気のものが多い印象で、並んでいて一番映えるのはデパートのはずです。もちろん Fuzz もトラッドやダンディは好きですが、メインフィールドは “カジュアル” です。そこで、Kei さんのニットのセンスを損なうことなく、Fuzz 好みのテイストに近づけていただく、ということで不肖わたくしが暗躍している次第でございます。

やはりニットにはニットにしかない魅力があり、またインポートのニットにはインポートのニットの、またジャパニーズニットならではの好さも当然あります。
まだ朝晩に限られますが、いよいよ寒さを感じることも増えてきましたので、是非とも Kei Macdonald のニットを体感してみてください。

 

New Arrivals.

BASISBROEK のウールジャケットが新たに入荷しました。
ショート丈でゆったりシルエット。BASISBROEK らしい独特のデザインが健在です。

 

大きな特徴は、ダブルのライダースのように斜光するフロントジップ(ダブルブレストではありません)。これが襟を中央から分けずに、襟を開いた時に左右非対称になります。

 

ゆったりルーズでドルマンスリーブ気味の袖、肩はドロップ。
アシンメトリーの襟と相まって、なにやらモード服のような世界観を感じさせる雰囲気になっています。

 

デザイン性もさることながら、生地はしっかりウールメルトン、袖までの総裏仕立てでウエイト感もなかなかのものです。
フロントはダブルジップ、背中はヨークが入り、かなり贅沢に生地の分量を使い、凝ったデザインを入れているにもかかわらず、プライスは庶民的です。ここはモード服とは真逆の違い。

 

ブラックでこのデザインではやや圧があるかなと思い、今回はダークブラウン1色です。
濃いブラウンですので、落ち着きがあり、ここ最近セレクトを増やしているブラックのパンツ群との合わせも考慮しています。
同じ BASIS のパンツはもちろん、Riccardo Metha のウールパンツなども好相性だと思います。

 

ゆるっとした感じでも、雰囲気はクール。襟はいっぱいに閉めてしまってもいいですが、軽く開いて、というくらいが調子よさそうです。

 

BASISBROEK – Hody
col : Dk. Brown
size : 2 / 3
price : 24,000 (+tax)

 

この春から取り扱いをはじめたイタリアのニット Fassina Luca。
秋冬はウールニットです。

 

いかにもヨーロッパのカジュアルニット、という雰囲気です。
編みで立体感のあるちょっと変わったボーダーで、派手すぎず、地味すぎず。
これを細身のパンツとすっきり合わせて、ステンカラーコートだったり、ダッフルコートだったりをシンプルに羽織る、というのがある種のヨーロッパ的カジュアルスタイルのイメージです。盛りすぎないで、気張らずにさらりと、というのが格好いいと思います。

 

Fassina Luca – Border Knit
col : Grey / Red
size : S / M / L
price : 13,000 (+tax)

 

SANDERS – B.G.S. Aprpn Derby Shoe, Chelsea Boots.

SANDERS のシューズが2型、入荷しております。
ひとつはおなじみのサイドゴアブーツ、もう一つは今季から新シリーズとして登場した新鮮な短靴です。

 

新型の方から先に触れましょう。
こちら、”B.G.S. Collection” という新ライン数型のうちの一つ、エプロンダービー(Uチップ)シューズです。新しいフォルムはUチップと相まって、これまでの SANDERS のレザーシューズには無かったタイプのカジュアルさを備え、非常に新鮮です。

 

“B.G.S. Collection”
B.G.S. は “Boots, ankle, General Service” の略称。1880年代~1950年代にイギリス軍へ供給されていました。
別名 “Ammunition Boots” とも呼ばれ、主に銃を専門に扱う兵士用に設計されています。
SANDERS でも一時この靴の製造供給をしており、当時のモデルをベースにラストを再現したコレクションになります。

 

スクエアトゥに近いかたちのつま先に、やや平たく感じるバンプ、SANDERS の主流である Military Collection の靴たちとは大きく趣が異なります。

もうはるか昔になりますが、フランスやイギリスから古靴を仕入れていた時代に時たま見かけたかたちで、その時にも人気がありました。ヨーロッパの靴のディーラーは、『60年代より前の靴だよ』 と言っていたことを思い出しました。

 

アッパーは Waxy Leather です。ポリッシュレザーはもちろん、オイルレザーの艶とも違い、仕上げに蜜蝋を使う革であるため、光沢が抑えられたマットな質感です。

 

底付けは当然グッドイヤーウェルト製法、アウトソールはいつもと同じ仕様で、イギリス ITSHIDE 社のコマンドソールです。
このシューズもオリーブ色の替え紐が付属します。

 

トゥの尖りがないためにぽってりしたように感じ、ちょっとしたかわいらしさがあります。よりカジュアルなスタイルに溶けこみやすいバランスでしょう。
ですが、それを狙った 『カジュアル靴』 ではなく、あくまで 『本格的な革靴であるところの昔の軍の靴』 でありますので、ベースには 『格好いい』 がしっかりあることが感じられます。

ミリタリーコレクションの靴をお持ちの方には新鮮に感じると思いますし、逆にミリタリーコレクションのかたちがしっくりこなかったという人には、絶好のチャンスになるような気もします。

 

SANDERS – B.G.S. Aprpn Derby Shoe
col : Black
size : 6H / 7 / 7H / 8
price : 52,000 (+tax)

 

Cap Toe Chelsea Boots は今や Fuzz の秋冬の風物詩的アイテムになっています。
脱ぎ履きしやすいという実用性、どんなスタイルにも使えてしまう汎用性、クラシックでありながらストリートやハード系のスタイルまで溶け込む懐の深さがあります。
特にこのミリタリーコレクションという立ち位置が、なんとなくトラッドなところとカジュアルなところを都合よくミックスさせてくれ、さらに使いやすくしてくれているような気がします。

僕もこれを数年履いていますが、今でも冬に一番よく履く靴になっています。きれいめから軍パンから、太いチノ、何にでも合わせてしまっております。
この秋冬も変わらずおすすめでございます。

 

SANDERS – Cap Toe Chelsea Boots
col : Black
size : 6 / 6H / 7 / 7H / 8
price : 52,000 (+tax)

 

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SOUTIENCOL の事務所に伺う機会があり、ついでに Slip On ネイビーの42 の在庫があったのでいただいてきました。