つい先日の営業時間前、久しぶりに美術展に行ってきました。
『ヒルマ・アフ・クリント展』@東京国立美術館。
先月か先々月か、たまたま見た『日曜美術館』で特集されていて、これは見たいと一目惚れしました。
月曜休館で定休日を使えず、なかなか時間がつくれなかったのですが、会期終了が迫ってきて、見逃したくないという気持ちが勝りました。
ヒルマ・アフ・クリント。スウェーデンの女性画家ですが、僕はその日曜美術館を観るまでまったく知りませんでした。
北欧で、女性で、天文学、航海術、数学が身近にある環境で育ち、モチーフに植物が多く登場して、見たことないタイプの作品ばかり。
独得の色彩と多彩なアイコンが、不思議と何かの意味を感じさせます。
精神世界を探求したということで、何か脳内や精神のあらゆる状態が絵画化されたような、頭では理解できないのだけれど、どうしてか感覚的に説得力を感じてしまう、というものが多かったと思えました。
何かたくさんのいろいろな要素が集まり、絡まり合って、何らかの世界が出来上がり、広がっていき、変化していく、そのいろいろな要素のひとつひとつは自然界のものであり、何かしら規則的な反復があり、また突然変異があり、その時その時に、何だか分からないけど美しいと感じるパノラマが創りだされていく、、
そんな感じでしょうか。
一番の目的だった 〈10の最大物〉が思った通り、最高でした。
以下、展示会のオフィシャルの文章を転載します。
『1907年、アフ・クリントは、人生の4つの段階(幼年期、青年期、成人期、老年期)についての「楽園のように美しい10枚の絵画」を制作する啓示を受けます。乾きの早いテンペラ技法*でわずか2か月のうちに巨大なサイズの10点は描かれました。技法やサイズなど、彼女がかつて賞賛したルネサンス期イタリアの祭壇画が持つ荘厳さを彷彿とさせます。』
人生の各段階における視覚的な精神イメージ、なのだと思います。ああ、なんだか分かるな、と思えます。
いろいろなものを認知することから始まる幼少期、いろいろな情報収集する子供から若者時代があって、大人の年代に入ったばかりになんだかエロいことばかり考える時期が入り、その後は情報と経験の蓄積の時代があり、次に中年に差しかかると整理の時代、整理が済むとようやく個性が生まれて主張のようなものが起こり、老年に向けてそれが調和していき主張が弱くなり、やさしく柔らかくなる、、
大きな絵の前をぐるぐる回りながら、そんな風なイメージが自然と湧いてきました。
じっくり回って2時間弱という感じで、とても楽しかったです。
残念ながら時間が足りずに常設展はほとんど見られず、特設の物販を慌ただしく一周して、珍しく図録を買って急いで帰りました。
Tシャツでもひとつ、と思っていましたが、採用されていた作品が、微妙に好みから外れていて残念。これがTシャツになっていたらいいのにと思いながら見た作品がいくつかあったので、余計に残念でした。
会期が来週いっぱいということなので、お好きな方には本当におすすめです。
平日でまあまあ混んでましたし、最終週になるのでさらなる混雑が予想されますが、、
ということで、またまた雑談のコーナーでした。
明日は月曜日、Fuzz は定休日です。
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Fuzz
東京都新宿区新宿1-7-3
三栄ビル4F
13:00–21:00 (平日・土) / 13:00–20:00 (日・祝)
月曜定休
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6月9日(月) 定休日