SANDERS – Military Derby Shoe.

SANDERS、Military Derby Shoe。
長らく触れていなかったので、在庫が補充されたこのタイミングでレコメンドしておきましょう。

Fuzz では長年の付き合いとなるミリタリー・ダービー・シュー。その名の通り、ミリタリーをルーツとする革靴となります。

 

もちろんイギリス軍であり、ミリタリーといっても文官が履くための革靴です。SANDERS は長きにわたって英軍のコントラクターをつとめており、実際に軍にこのような革靴を納入しています。いわゆる納入業者です。

元来は一般のシューメーカーであり、由緒正しきノーザンプトンに本拠を構える老舗であります。自社ファクトリーを持ち、伝統的なグッドイヤーウェルテッド製法を駆使して本格的な英国靴をつくっているのです。
本国では、普通にビジネスマンに向けたドレスシューズや、伝統的なカントリーシューズなど、いろいろとラインナップされているのですが、日本に輸入されているのはカジュアル目的で穿けるようなものばかりです。これは輸入代理店さんの性質上のことに他ならず、代理店さんのメイン客層が、我々のようなファッション向けの小売店ばかりであるという理由によります。

そういうことで、カジュアルなファッションとして英国靴を楽しむには何が嬉しいか、というところがずっとよく考えられてきていて、だからこそ、我々にとって SANDERS は貴重な存在であり続けているように思います。
この Military Derby Shoe を中心とする “ミリタリーコレクション” というラインは、軍用の革靴の態をとることで、『単なる普通のシンプルな革靴』 というところから一線を踏み超えて、英国靴であることをしっかり意識させてくれつつも、より自由な使い方、合わせ方を可能にしてくれているように思うのです。

 

普通と言えば普通なんだけど、やはり一般的なドレス靴やファッション向けの革靴とは趣が違う、というところがポイントでしょう。ちょっとした武骨さをエッセンスとした重厚感があり、履きこんだ時になんとなくの迫力が出て、かといってワークシューズ系の革靴ほどカジュアルではなく、きちんと端正であると。
どうやら、ミリタリーという性質を帯びることによって、服飾においては自由を得ているように思います。

 

アイレットと3本レーンステッチのキャップトゥがいいアクセントなっています。
アッパーはポリッシュレザー、これは少し硬めの革で、履きこんでグングン伸びていく革ではありません。まったく伸びないというわけではありませんが、伸びを期待して窮屈なフィッティングをするのはおすすめしません。
足幅は標準くらいで、ワイズサイズの正式な表記はありません。そして、甲は若干高め。
SANDERS が持っている数ある木型のうち、長年の試行錯誤のうえで、どうやら日本人にはこの木型が合うようだと代理店さんの方で指定しているものです。実際にずっと評判が芳しく、現在では、他のモデルにおいても、ほとんどこの木型が使われるようになっています。

 

アウトソールは ITSHIDE 社のコマンドソール。一般的に 『ダイナイトソール』 などとも呼ばれ、ラバー素材でグリップ力のあるものとなっています。これはレザーソールのようなすっきりとしたルックスをキープしながら、レザーソールのスリップの弱さを克服することを目的につくられたものとなっております。

ということで、長くなりましたがこのくらいでしょうか。久々にじっくり説明できたかと思います。
いよいよ外出機会も増えてくるようで、みなさん、だいぶ靴やバッグの方にも目が行っているように思えます。
しっかりした革靴をお探しのみなさまは是非!

 

SANDERS – Military Derby Shoe *Polish Leather
col : Black
size : 5H / 6 / 6H / 7 / 7H / 8 / 8H
price : 50,600 (+tax)

 

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