Universal Works.

Universal Works の新入荷です。
今季の Universal Works はやや重めのウェアのセレクトになりましたので、ご案内が遅くなりました。まずはコートとジャケットを1型ずつ、ご紹介します。

 

Naval Coat は、ルーズシルエットのステンカラーコートです。
Tech Indigo と名付けられた独特の質感のギャバジン生地が使われ、トラッドをベースとしながらも、カジュアルで気持ちよく着られる絶妙なバランスで仕立てられています。

 

ラグランスリーブ、比翼、総裏二重仕立て、基本的なステンカラーコートの仕様で、シルエットがやや大ぶり。極端なオーバーサイズではありませんが、全体的にゆったりした感じがありますので、インには厚手のジャケットも問題なく着れます。
もちろん、中に厚着をしなくても、ゆったり感をしっかり出して着られて調子いいバランスです。

 

生地はコットン63、ポリエステル37、Tech Indigo と名付けられたギャバジンです。
表面は化繊らしい光沢、しなやかで自然な皺の入る天然素材らしい質感、という独特の生地で、耐久性の高いファブリックということです。

 

定番的なアイテムがベースになっていることもあってか、どんな風にでも着れる懐の深さが感じられ、あらゆるスタイルにマッチさせることができることが最大の魅力ではないかと思います。
細身シルエットのコーディネイト、ルーズシルエットのコーディネイト、きれいめ、ラフ、本当にどこにでも自然と溶けこみ、さらにそれぞれ格好いいです。

パキッとしたステンカラーコートもいいですが、幅広く着合わせができて、しかも今の気分沿った雰囲気で着れるこのバランスのステンカラーコートはとても価値があると思います。

 

Universal Works – Naval Coat
col : Navy
size : XS / S / M
price : 55,000 (+tax)

 

こちらもルーズシルエット、短丈のブルゾンとなります。
Rose Bowl Jacket と名付けられた8ウェールのコーデュロイによる80年代風情のおもしろいジャケットです。

 

肩を落としたボックスシルエットは、着てみると絶妙な丸みがあり、非常にバランスのよいシルエットで着ていただけるものとなっています。
ちょっと前に、そのちょっと前のシルエットだからダサい、とされていたものをベースにして、多少バランスを整え、今はまた格好いい、というふうになったものです。

フロントはダブルジップ、ポケットがしっかりあって、総裏二重仕立て。しっかり重厚感のあるウエイト感です。裏地は胴部がやわらかなフランネルになっていて温かく、袖は滑りの好い生地です。

 

ゆるっとラフに羽織って格好いい短丈のブルゾンは、やはり海外のものが一枚上手なのかもしれません。何がどうとはっきり言えないのですが、感覚的に 『いいな』 と思わせてくれる絶妙さがあるように思います。

 

Universal Works – Rose Bowl Jacket
col : Navy
size : S / M / L
price : 32,000 (+tax)

 

TUFFA – Side Gore Boots.

TUFFA のサイドゴアブーツが入荷しました。
クロッグと同様、昨年の好評を受けて継続ということになりますが、こちらはカラーも昨年と同じダークブラウン(かなり暗い)です。

 

乗馬の関係者のためのワークシューズをつくるブランドですので、すっきりしたかたちではありますが、カテゴリーとしてはワークシューズであり、つまりは道具であります。
ですから、クロッグもそうですが、脱いだり穿いたりしやすく、かつ動きやすいということが、エレガントより先にくるということになるでしょう。

 

だからといって割り切ってぼってりと丸々しいフォルムということでないのは、乗馬の世界、しかもイギリスの、というところの矜持ではないかと勘ぐっています。
すっきりしたフォルムに反して、こころなしかヒール部分がやや大きく、くるぶしまわりの締め付けは緩いように思えますので、やはり穿きやすさと脱ぎやすさを考慮しているのかもしれません。

 

アウトソールは簡易なラバー製で、底付けはセメント製法です。コストの面が大きいと思いますが、ステッチの縫い目から水の浸入を防ぐためにも、ワークシューズとしてはセメント圧着が向いているのだと思います。

Blundstone のようなぼってりしたブーツではなく、正統派ルーツのサイドゴアブーツを簡易にしたようなものなので、またまったく違った感覚で使っていただくことになるでしょう。
気兼ねないカジュアルなスタイルにひょいっと入れられるイギリスのブーツ、くらいの感覚で楽しめるはずです。

 

TUFFA – Side Gore Boots
col : Dk.Brown
size : 40 / 41 / 42 / 43
price : 19,000 (+tax)

 

John Smedley.

John Smedley の新作ニットが入荷しました。
秋冬のスメドレーは極上メリノウールのプロダクトです。

 

あえてシンプルかつベーシックなデザインを着たいと思わせる、素材の好さと色の好さ。これが John Smedley の魅力のすべてと言っていいかもしれません。この素材、この色合いならば、よけいな飾りは要らないぞと。

今シーズンは、昨年好評だった襟付きのカーディガン PARWISH と、クルーネックのプルオーバー FARHILL という2型をご用意しました。昨年、店頭で PARWISH の24ゲージが好印象という声が多く、今回は2型ともに24ゲージのタイプとなります。
超ハイゲージの30ゲージの好さはもちろんありますが、24ゲージになると、わずかに光沢感が抑えられ、地厚となって、印象としてはよりカジュアルになります。30ゲージのパリッとした美しさが緩和されはしますが、同時に緊張感のようなものも緩和され、より一層身近で気軽な雰囲気になるような気がします。
もちろん、素材は共通ですので、ものの好さは少しも失われません。

また、カラーはどちらも今季新色の Hepburn Smoke という色をピンポイントです。判りやすい言葉にしてみると、インディゴなチャコール、暗いインディゴネイビー、などといった感じになるでしょうか。
これだけダークカラーなのに、他ではお目にかかれそうもない感がありありとあって、はっきりと 『いい色だ』 と思える、絶妙な色味でございます。

 

小ぶりの襟が付いたシャツカーディガン型 PARWISH 。襟まわりがエレガントです。
着こなし方によってはジャケットのような印象もあり、しかしシャツカーディガンとしてアウターのインに入れても少しも不自然でなく、、といういいところを突いたモデルです。

タイドアップして、襟を少し開いてVゾーンをつくっても格好よさそうですね。

 

John Smedley – PARWISH
col : Hepburn Smoke
size : S / M / L
Price : 35,000 (+tax)

 

こちらきわめてシンプルかつベーシック、クルーネックのプルオーバー、FARHILL。
あまりにベーシックゆえに、言葉もありません。
上等な質感、絶妙なカラーが際立ちます。

 

John Smedley – FARHILL
col : Hepburn Smoke
size : S / M / L
Price : 30,000 (+tax)

 

Candidum – Special Suits.

Candidum の、そして Fuzz の新しい試み。
たいへん本格的な “スーツ” をご用意しました。いろいろとご説明することが多いので、長くなりそうです。また、製品の性質上、店頭販売のみのお話しとなってしまいます。

 

今回ご案内するのは、Candidum が手がける本格仕様のセットアップスーツです。これまでとは違って、上下揃いのスーツです、ということとなります。
あくまで現在の我々の立っている場所においてですが、現実的に最高峰という素材と縫製で仕上げています。つまり、上を見ればきりがない、下を見てもきりがないという中で、トゥーマッチな贅沢ではなく、セレブやマニアでもない、”一般的なファッション愛好家” にとっての現実的に最高レベルというところに照準を合わせています。

こういった線引きというのは意外とシリアスな問題で、完全に価値観の部分になりますが、モノが溢れ、価値観が多様化するなかで、本当の成熟とは何か?ということに繋がり、そこから格好よさとは何か、お洒落とは何か、ひいては幸福とは何か、などといった大テーマにつながっていく大事なことだと思います。しかし、このあたりを語るとまた長くなりますので別の機会に譲るとして、話を進めていきましょう。

 

何枚か写真を見ただけでもモノの良さが伝わるかと思います。
まず仕立ては関東圏内で最高峰の縫製工場の手によるものであり、カジュアルファッションのブランドの服ではなく、高級スーツを専門に縫うようなところです。テーラードジャケット専門の縫製工場もピンきりで、当然値段相応の仕上がりになるのですが、こときちんとしたテーラードジャケットに関して言えば、そのレベルの差が実際の製品に反映されやすいということ。
昨今はわりあいに安価でオーダースーツができるようになりましたが、生地を選んで、サイズを合わせて、でも出来上がったらなぜか少し残念、、ということが度々起こるのは、工賃のコストが削られているというからくりに因ることが多いそうです。つまりスピードと量産を得意とする低価格の工場で縫われていることが多いのです。

そして着てみると、やはり着心地は明確に違います。Candidum の他のいつものジャケットと着比べてみても違いは分かります。もちろん、元々のかたちも違い、”スーツとして映える仕立て” としてつくられていますので、そこも大きいでしょう。

 

生地はイタリアの Loro Piana の Four Seasons というもの。ウールとカシミヤのファブリックを得意とする一流どころの、ベーシックな4シーズン、つまり通年生地厚のファブリックです。

一見して分かる素材からくる上品な光沢があり、ものの良さは誰が見ても分かるレベルです。薄からず厚からずでシーズン性を感じるものではありませんが、実際には夏はきついかな、という感じです。

カラーはネイビーとチャコールの2色でのご用意です。

 

気になるプライスですが、上下揃いで税抜98,000円です。ここまでの説明を聞くと、このくらい高価であることはある程度納得していただけるかと思いますし、この辺を詳しい人はちょっと驚くのではないでしょうか。

そして、こちらは 44、46、48、と3サイズでご用意していますが、あくまで上下セットでの販売となり、ジャケットを44で、パンツを46で、ということは残念ながらできません。
また、写真を見て気付くと思いますが、仕付け糸が付いた状態になっているのですが、ご購入後に袖ボタンの仕様(ボタンの数等)をお好きに決めていただき、パンツの丈詰めと始末までも含めて、1週間から10日程度のお時間をいただいてお渡し、ということになります。ですから今回はパンツの丈合わせまでプライスに含まれます。

そして、ここからが本当のスペシャルと銘打つゆえんです。
実はこのスーツ、サイズの調整を細かく承ることができます。前述の最高峰の工場というのは、一着縫いで仕上げるので、基本的に1着ごとに細かい調整が可能なのです。
具体的にどうするかと言うと、サイズ面でストレスがあった際には、袖丈を何センチ詰める、着丈を何センチ長くする、などといった希望に沿い、新しくその寸法でつくりますということになります。この方法をとる場合、プライスとしては 10,000円のアップチャージがあり、お渡しが2ヶ月後、ということになります。

ジャケットでは肩が合うサイズを着ていただき、袖、着丈、胸囲、ウエスト、どこでも直せます。ベントもサイドベンツの仕様ですが、センターベントに変えることもできます。パンツはヒップまわりが合うサイズをまず穿いていただき、ウエストを絞る、出す、わたりや裾幅を広げる、狭める、といったことができます。もちろん、裾の始末もシングル、ダブルと選んでいただけます。

ただ、あくまでもサイズ調整での仕立て直しで、身体を採寸してのオーダーメイドではないということはご理解ください。フルオーダーをご要望の場合はしかるべきところに行っていただき、やはりブランドさんが示すデザインを楽しんでいただき、エレガントなバランスで設計されたシルエットの素晴らしさを享受していただきたいと思います。そこを基本にした上で、ご自身の身体のサイズに合わせ、サイジングの好みをいい具合に反映させて、というところで考えていただけたらと思います。

フルオーダーというのは、しかるべき経験を積んだ仕立て職人さんが受け持つ世界ですので、僕の守備範囲を越えてしまいます。あくまでもセレクトショップとしての立場では、仕立てのスーツまではいかないところまでで、腕を売るのではなくファッションを売るという観点から、それを求める人に向けて、というところかと考えています。

 

こういうことができて、このプライスで、というのはこの世界では実は驚くべきレベルらしいです。まず、この生地にピンポイントで絞って、メーカーとして反物で仕入れてしまうことが大きいようです。この方法であれば後から入るオーダーがあるであろうということで、生地をストックしておく必要が生じますから。
生地見本から色々と選べます、という方法では、生地をカットして買うために高くつき、結果的に同じこの生地を選んだ場合、分かりやすく全然違ったプライスになるそうです。

それから、Candidum というブランドとして、スーチングもできるブランドであるというアピールをしたいということもあるそうです。このレベルのスーツが世に出ることによって、ブランドの評価を高めたいということで、ひいてはインラインの通常の製品をもっとしっかり評価してもらえるのではないか、ということを狙っているそうです。そういう意味で、ブランドが得る利益の一定分を広告費という考え方にして還元し、世に出る数を増やしたいということです。

 

ということで、長くなりましたが、だいたいの説明ができたかと思います。もちろん、店頭でも詳しくお話しさせていただきます。

昇進して威厳のあるしっかりしたスーツでもいっちょう、とか、大事な商談用の勝負スーツをいっちょう、とか、お年頃で結婚式に呼ばれることが増えそうだから映えるスーツでもいっちょう、とか、いろいろとニーズはあるかと思います。

今この時代、高級なものを身につけているからお洒落とも思われないですし、分不相応はかえって格好悪いと思われたり、いろいろとシビアに見られる世の中になっているかと思います。
そんな中で、その人の社会的地位や、その場所や場面で相応しい格好をしていくために、という観点で、こういったスーツが必要かどうかご一考いただけたらと思います。

そして、こういった服に自然と感じてしまう “ロマン” という部分、これを度外れにではなく、適度に溶けこませて、楽しくご検討いただけたらと思います。