
Odilon Redon “Trauriger Aufstieg”
『ですが、終わる仕事なんてこの小さな会社にはありません。
区切りがどうとか、やりかけだと気持ちが悪いとか、集中が途切れるとか、そんなのただの気分なのに。すっきり終わって片付いたら仕事の腕前が上がった気持ちになるんですか。大嫌いな自分自身から褒められるとでも思っているのでしょうか。
終わる仕事なんてありません。
そんなものは、どこかの大企業の窓際にしかありません。
いいんです途中でやめて。途中で呼び出されたって途中で帰ったって、仕事なんだから。安心してください、あなたの美学なんてこの会社とは一ミリも関係ないんだから! 美学なんてものがあったら我が社にいることがおかしいんだから!』
『御社のチャラ男』 絲山 秋子
