Kei Macdonald のニットをご紹介します。
プルオーバーとカーディガンの2型。今回は企画段階から丁寧に希望を伝えてつくっていただいた Fuzz オリジナルの特別製品となります。
まずはプルオーバータイプから。
まず素材はメリノウールをメインとして、ベビーアルパカとキッドモヘヤの混紡糸となり、これは Kei さんが長年信頼して使用しつづけている上質なものです。
これをミドルゲージの中厚地でプルオーバーで、やや低めのモックネックで、そして3色のパネルボーダーで、仕立てていただきました。
配色はどちらもまったくの Fuzz のオリジナルとなっております。
僕が色の組み合わせを伝えた時、Kei さんはかなり驚き、かつ心配していたのですが、出来上がりの連絡をいただいた際には、『松崎さん、すごい!』 と言っていただけました。
これは Kei Macdonald のオリジナルでは考えつかない配色です、とはっきり言っておられましたので、カラーだけでもスペシャルなものになっています。
どうでしょう、A.P.C. や MARNI なんかがこんなニットをつくっていそうな気がするのですが・・・
とてもソフトで着心地がいいです。そして、高品質の素材とニッティングですから、着た時の品の好さがしっかり感じ取れるはずです。
Kei Macdonald – Alpaca Mohair Low Mock Neck Pullover
col : Mustard / Brown
size : S / M / L
price : 29,000 (+tax)
こちらはローゲージの畦編みのヘビーニット。
ヘビーニットと言っても、インバーアランなどの本格派のような無脱脂でごつくて重いものとは違い、厚さ、重さはほどほど、見た目以上に着やすく温かいものになっています。
素材はカムバックウールという、ブリティッシュウールとメリノウールの交配種となります。ブリティッシュウールの野趣溢れるバルキーな質感と、メリノウールのやわらかさのいいところ取りをしようという野望のもとに生まれた羊の毛です。
クラシックな見た目と着心地の好さを兼ね備え、こちらもブランド定番の糸として、Kei さんが毎年使っているものですので、非常に安心感があります。
これまでメンズではつくっていないということだったので、クルーネックのカーディガンにしていただき、カラーはもちろん、生地の厚さやボタンなどもリクエストに応えていただきました。
クルーネックでラグランスリーブ、というのがたいへん気に入っています。
インバーアランやカウチンセーターをヘビーニットとするなら、厳密に言えばヘビーニットの一歩手前くらいでしょうか。分厚くてケーブルなどの複雑な編みで、というものではなく、やわらかく伸縮する畦編みはしめつけもなく快適です。
Kei Macdonald – Come Back Wool Crew Ncek Cardigan
col : Beige / Mocha
size : S / M / L
price : 34,000 (+tax)
Kei Macdonald のニットは、デザイナーである Kei さん本人の意向で、上質な毛糸だけを使い、ニッターさんが家庭機、手横機で一着一着編むハンドフレームニットのみとなります。
ハンドフレームの製品は糸の風合いを損なわず、柔らかな仕上がりになるため、ニットそのものが上品になることが特徴です。
そして、ハンドフレームニットだからこそ、少数での細かいアレンジに対応することができるのも魅力です。僕としては、Kei Macdonald のニットの良さを、Fuzz の客層とマッチさせるべく、ちょっとアレンジしていただく、つまりはデザイナーとお客さんをつなげる、ということを狙っています。
Kei さんというのは、メンズのデザインではトラッド志向が強く(レディースではけっこうかわいらしいものも多いのですが)、ダンディな雰囲気のものが多い印象で、並んでいて一番映えるのはデパートのはずです。もちろん Fuzz もトラッドやダンディは好きですが、メインフィールドは “カジュアル” です。そこで、Kei さんのニットのセンスを損なうことなく、Fuzz 好みのテイストに近づけていただく、ということで不肖わたくしが暗躍している次第でございます。
やはりニットにはニットにしかない魅力があり、またインポートのニットにはインポートのニットの、またジャパニーズニットならではの好さも当然あります。
まだ朝晩に限られますが、いよいよ寒さを感じることも増えてきましたので、是非とも Kei Macdonald のニットを体感してみてください。